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【特集】Now or Never mic relay 動画担当 利波 雷へインタビュー!

  • 執筆者の写真: 村上ヒデキ
    村上ヒデキ
  • 2019年5月29日
  • 読了時間: 9分

――ではまず、自己紹介をお願いします。

利波 雷(りなみらい)ともうします。 主にニコニコ動画で動画制作をやらせていただいております。最近はニコラップ界隈の方からの依頼がありがたいことに多いです。とてもうれしいです! まず依頼が来るのがうれしいので! 決まった界隈でいろんな人から来るっていうのが、信頼されている、名前が売れているっていうのがうれしいです。


――マイクリレーの動画といえば!というところもありますよね。

ほんとですか! うれしい(笑)


――まず、前作『Break down mic relay』(以下『Break down wall』)の依頼が来たときの思い出はありますか?

その頃、ニコニコは見てたのですが、ぜんぜんラップわからなくて…。あの頃は歌ってみたをやってるラッパーを知ってる、くらいでした。ほんとにニコラップ一本でバリバリのラッパー、という方はぜんぜん存じ上げない状態。依頼されたとき、うまいなぁ!と思ったのが、よく聞いていた出演者だった。「え、マジで?! 動画の長さとかそんなことより、これはやるしかねぇ!」と。やった結果…とてつもなく長い動画が…(笑)

正直そのときまでマイクリレーを作ってなかったわけでもなくて。なのでやればできるかもしれないと考えていた。どうしてもやりたかったのが、マイクリレーのラップだと動画がかんたんになってしまうところを、パートごとに一本一本すごいのを作ったら、それこそすごいものが出来上がるんじゃないかと考えました。それがやる気の根源でしたね。

でもそれは絶対にできるけど、すごい時間かかって大変。しかしやりとげたら楽しいなぁ、と考えました。


――たしかにひとつの発明だったように思います。ご自身ではそういう感覚はないですか?

あまりないですね…でも面白いですよね。ひとつの動画にいろんなテイストが入っているっていうのが面白くて。

『Break down wall』だと、背景の色が全員違ったり、文字の出方が違ったり別れてたりしてて。現場勢の中でも動き方がぜんぜん違うものになってて。そういう差を作るのがすごい楽しくて、なんだかんだ最後まで楽しく作れましたね。ただ長かったのが苦痛でしたけど(笑) 3日くらい徹夜したんですよね…。


――実際どれくらい製作期間がかかったんですか?

一週間ちょいくらいで作ったように思うんですよね。


――えー?!

この頃はまだ学校とかも忙しくなく、体力もあったから徹夜してもなんとかなったときだったんです。2017年5月末に依頼と音源が来てて、自分が作業し始めたのが6月末。作りはじめて出来上がったのが7月はじめですね。


――はやっ!(笑) 鬼の速さでできたというのをSICKHACKさんから聞いたのを覚えています(笑)

はやいですねぇ。今自分でもびっくりしました(笑)


――はやかったけれども、濃かったのが続いた動画。反響はいかがでしたか?

SICKHACKさんから伺ったんですが、動画のテーマが『俺が一番リスナーを満足させられる!』だったんですが、あのテーマを見たとき「は? じゃぁ俺が動画で一番満足させてやるよ!」くらいの勢いで動画作りました。結果的に、SICKHACKさんから「動画が一番よかった!という声もあがった」と伺っていて。「あーうまくいったな」という実感はありますね。


――私もアレンジで加わっていたのですが、『嫉妬』ですよね…。

(笑)


――持って行かれた!というくらいの完成度でやっていただいたので、素晴らしい出来になりました。さて、今回の『Now or Never mic relay』(以下『Now or Never』)なのですが…。

かっこいいですね…!


――かっこいいですね…! まず、現状の話として…。動画制作の真っ只中にこのインタビューを行っています。

えへへ。


――えへへ。最初に聞いた感触はいかがでしたか?

私は昔のものに固執するタイプなので…。最初に聞いたころは「『Break down wall』のほうがいいんじゃないか?」と思っていたころがあったんです。でも今は「こっちもやるな!」と! 聞けば聞くほど、どんどん映えていく音源というか…かっこよくなっていきます。


――インタビュー段階で出来上がっている動画のパートでここが気に入っている!というところを教えてください。

らっぷびとさんですね。本人に事後承諾で許可をとったんですけど…ひとり15秒として見せる動画としてはすごいうまくはまった、という手応えがあります。

らっぷびとさんが主催しているライブ『World Wide Words』のマイクリレー動画を、昨年の2017からどんどんさかのぼっていく形で動画にしていっています。普段あまりどういう動画にしようって考えず作っているのですけど、ここだけはもう最初に聞いて決めました。時間の配分で区切って、ここからここまではこう!としっかり決めてから形にして…。2017、2016、2015、2014とキレイに4つにわけることができたんです! 2013が諸事情により入らなかったんですけど…。


――WWWマイクリレー過去作と見比べてほしいですよね!

見比べると面白いかもです(笑)


――今回、苦労した点はありますか?

人数が多いので、前みたいにテイストを変えていくのがしんどかったですね。どうしても。


――今回、ほぼ倍の人数になっています。

めっちゃ増えましたねぇ…いやぁすごいなぁ…。だからもうアイデアが何回もつきるんですよ(笑) 『Break down wall』でさえ終わったあとに燃え尽きた。俺にはラップ動画が作れない体質になってしまったのか、くらいまで凹んでて。動画もけっこう作れなかったなぁ。もうだめだ…って思ってた時期がけっこうあって。 でも依頼はどんどんくるんでやらなきゃいけない。やるだけやりつづけて、今日までやってきたんですけど、今回また32種類(ラッパーの出演者数)のアイデアをぶつけなきゃいけない(笑) ヤバいですよね。ほんとに。


――前回の『Break down wall』はひとりひとりのテーマを変えるっていうのが、かました点だと思います。今回かました点というのはどういうところですか?

前回と違って、時間がたってるじゃないですか。半年っていう時間で自分も燃え尽きてた時期ってあるんですけど、自分が学んだり見てきたものをできるだけこの動画で形にしていった、というのがあります。今もてる全力をぶつけてます。 私は最初、ほとんどの現場メンバーの方を存じ上げなくて。リア友の詳しいひとたちに「この人知ってる?」っていったら「いや、それやばいよ!」って言われて…。「それは俺がんばらなきゃやばいよな!」となりました。


――動画…曲の長さはほぼ10分です。長いですよね。

長いですよね10分って(笑) 普通の歌ってみたとかの界隈だと絶対作らない動画の長さですよ。いっても5分とか6分ですよね。7分でさえ、作ったことなかった領域だったのに…。


――たしか、9分40秒くらい…。

ほんと、仮段階で7分って聞いた段階で「長すぎ!」と思っていて。でもそれを超えてくる「9分ってなんや!」と。そして「9分はやばいでー…」と感じました。


――『Now or Never』ということでタイトルは「やるなら今、やらないならやらない」という意味と捉えられます。そういう意味で、この動画は分岐点になりましたか?

『Break down wall』のときから、結構な分岐点にはなっていて。『Break down wall』をきっかけにすごいニコラップ界隈の依頼が増えたんですよね。あとニコラップ関連の方からツイッターをフォローしていただけるようになりました。このまえ、なんかツイッターのタイムラインをみたら、ニコラップの方ばっかりになってました!


――こうなることを『Break down wall』前に思い描いていましたか?

思い描いてないです(笑)


――リスナーだったんですよね。

そうですね。でもラップはあんまり聞いてなかったんですよね。


――いろんな参加者とつながってみて、いかがですか?

うれしいですよね。自分のことを知ってもらえてるっていうのが。 昔はいちリスナーで動画見てて、やべぇこの人ホントにかっこいいな。将来この人の動画手伝えたらな、って思ってたら…。今、手伝ってますからね(笑)

今回だと、ill.bellさんとかはしやんさんとか、高校生から聞いていたひとたちばっかりで…。すごい今ぜいたくしているなぁ、という気持ちです。高校のころの自分に言ったらなんて反応するかなぁ?って。

――今考えるに、なんと反応すると思いますか?

……唖然ですよね…。無言で、手に持ってるものを全部落としますよ!(笑) 「今オレ…あの人達の動画作ってるんや!」っていったら、「なにやっとんお前?」って言われるかも(笑) ワンチャン、結構イキってた時期なので、やっぱりオレ才能あったな、と思うことがあったかもしれません。

ぜんぜん今を思い描けてなかったですね。こんなことになるとは。


――公開されてこういう評判があればいいな、っていうのはありますか?

やっぱり前みたいに「動画が一番よかった!」って言われたいですね! あれすごいうれしいです。今回はメインで目立ちにいくわけではないですけど、前は意図的にねらってやったのがうまくいったって形。 今回は狙ってはないです。それでも、前よりショボいってのはだめじゃないですか。特にクリエイターが半年前よりショボイってのはよろしくない。芸術ってのは日々変わっていくものです。かますつもりはなくても、無意識のうちに前は超えた、という状態が理想です。


――でもどこかは意識的で。

そうですね。今回、前の動画の参加者もおられるので、前の動画をバージョンアップする表現方法で作ってるのはけっこうパートがあります。

shirayukiさんとか、ラップするマンさんとかのパートは、前回の動画を消化する形で、いい感じにまとまったんじゃないかな。見比べると面白いかもしれません。個人的に前回の動画が伏線になっている、という演出が好き。シリーズものだとしやすくていいですね。


――SICKHACKさんからそういった指定は特になく。

ぜんぜんないですね。好きなようにやらせてもらっております。あとのパートはもうみんな自由に作らせていただいていますね。


――マイクリレーの依頼がSICKHACKさんから、いただいたらどうされますか?

いや、断りはしないですけど…また胃が…!ってなりますよね(笑) 依頼があればやるんですけど…出来上がったのを見るのが楽しいんですよ! 多少辛くとも、やりたいものではありますね。


――どれくらいのペースとかありますか?

半年か一年に一度くらい、ですかね。


――今後の活動としては、どういった自分になりたいなどありますか?

就職したらもう動画作るのをやめる予定なんですよ。来年の3月終わりには卒業・就職。それまでは動画作る予定なんですけど…。 それまでにみんなの記憶に残るような作品をつくれたら、と思いますね。あの人いたなぁ…って思ってくれるような。…ホントにやめるかどうかはちょっと怪しいんですけどね(笑)これまで積み上げてきたものを崩すのはやっぱりつらい。 ゲームでもセーブデータは消さない派なんですよ。でも、一応はやめる予定なので。それまでの間に楽しんで作りたい。 モットーとしては、映像っていうのはひとりで作るもんじゃなくて…まぁ…ひとりで作ってるんですけど(笑) 話しあいで出来た縁っていうのを、ネットでも大事にしていきたいと考えています。作るだけじゃなくて人との関係を一緒に育んでいけたら、っていうのがありますね。


――最後になりますが『Now or Never』を見て、そしてこのインタビューを見た方にひとこといただけますか。

お疲れ様です。長い動画を見ていただけてうれしいです。色々と一周見ても見つけられない伏線とか小ネタを入れるのが自分はすごい好きなので、ここ、実はこうなってたんだ! というのを探してみるのが楽しいかもしれません。もう一周…何周でもいいので、見て探してみてください!

あと、歌と一緒に動画を楽しんでもらえたら、自分はうれしいです。飽きない工夫をしているので、ぜひ楽しんでいただけたらうれしいです。

もしまだ動画を見られてない方は…ぜひ見ましょう! 本当にいい動画になっているので!


――『Break down wall』のときには自身でめっちゃ見られたということなんですが。

めっちゃ見てますね。ニコニコ動画の視聴履歴みたいなとこいったら、3桁くらい見てて(笑) どっかでリロード連打してるのかな?っていうくらいに(笑)


――というくらいには見てほしいですよね!

そうですね。ひとりそれくらい見ましょう(笑) おねがいします!


――ありがとうございました。



 
 
 

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